リスティングの乗り換え時に考える、代理店の怪しい実績について代理店が思うこと

クライアントや知人と話している時に「そういえばリスティング代理店のバナー広告で、継続率97%とか書いてあるのよく見かけるけど実際どうなの?」という質問がよくあります。同業他社のことを悪く言うのは良くないかもしれませんが、実際にそのようなキャッチコピーに騙された方が多く存在しているのも知っているのでこの業界のマイナス面を減らし、顧客が泣くことにならないように今回はキャッチコピーについて実際どうなのか、インターネット広告代理店の中の人の立場でお話出来ればと思います。

1,「継続率90%以上。」というキャッチコピーについて

 

私は約10年ほどインターネット広告の業界にいますが、まずこの数値はありえないと思います。

 

広告は魔法のツールではありません、競合もいますし、市場の動きに左右されたりもします。また資本力によってサイトのUI/UXも幅があり、広告費をかけても回収出来ない可能性も多いにあります。

 

顧客の継続率は

 

①リスティング担当者のレベル

 

②サイトや商品のレベル

 

によって変わります。

 

他のブログでも書いていますが、リスティングは長く実施することでGoogleAnalyticsなどの分析も活用してサイトを改善していけば成果はどんどん向上していきます。

 

ただ、リスティング担当者のレベルが低かったり、そもそもリスティングの運用しか最適化出来ない代理店だとどれだけリスティングの運用力があっても成果に結びつかないケースがあります。

 

体感としては3ヶ月頑張って運用して成果が出なければ一旦リスティングを停止してそれ以外の改善を行い、改善後にリスティングを再開する手段が有効です。

 

ただリスティングが最高レベルに運用できる担当者はそもそも売上上位の代理店の中にいる少数の優秀な運用者でした。

 

私も過去Googleが運用日本一を決める賞で1位を獲得した代理店に在籍しましたが、トップ運用者は100人いれば8~10人いれば優秀という感じでした。

 

そんなGoogleからトップの評価を受けている代理店でも継続率は大体10~20%くらいです。

 

1ヶ月目から2ヶ月目までの継続率は90%を超えることはありましたが、1年で見ると継続している企業は10%~20%だったと思います。

 

通常は企業は大きな目標があり、売上達成が最優先されるため、費用対効果が悪い作業。すなわち予算が低い企業や、広告費が伸びない企業にはトップ運用者はつかないですし、そもそも一人あたりの顧客数が多くて満足行くサービスが提供できず解約率が向上していきます。

 

そもそも継続率90%を超えていれば毎月どんどん顧客が増えていくため、それを上回る人材を確保したり、売上が向上したりしているはずです。

 

ちょっといやらしいかもしれませんが、人は何人いるのか?毎年どのくらい社員が増えているのか?なども聞いてみて、数人しか増えていなければ、そもそも論理的におかしいということになるかもしれませんね。

 

もし継続率が90%に近い代理店が存在するとすれば、優秀な運用者を揃え、豊富なリソースがあり、無理に自社の売上目標をたてずにに顧客の事業拡大のために頑張る代理店があれば、様々な点から提案を行い成果をあげていくため、当初依頼したサービス以外のサービスでの継続も含め長いお付き合いになっていくと思います。

 

ただそういう企業ほど誇大表現を使用しないので90%以上のリピートがあるとは絶対に謳っていないと思います。

 

2,「営業マンは一切いません。運用者のみです。」というキャッチコピーについて

 

こちらについては良いか悪いのか分かりませんが、そもそもこれがアピールポイントになるかどうかは分からないです、、、

 

確かに何もリスティングのことを知らない営業マンが知ったかぶりでゴリゴリ営業されるのは大変ですが、営業スキルが低い運用者がヒアリング、与件整理、提案、タスク管理などを全て行うことは運用者のリソースが圧迫されます。

 

例えば美容院だと髪を切る人と、シャンプーする人と、掃除をする人は別々ですが、細分化されていることでスキルの差があったとしても適材適所に人を配置することでお客様に対して良いサービスを提供する機会が増えます。

 

また、営業が得意な人の方がニーズを把握する能力や、情報共有や提案がうまいケースもあります。

 

どのような体制で実施するかはその会社の人材や戦略によって変わるので何が良いのかは分かりませんが、「運用者特化型が一番良いです。」という断定は間違いかなと考えております。

 

ちなみに弊社(カッテージ)は完全な営業マンはおらず、「営業+運用者」と「運用特化」の2パターンの人材でチーム分けしています。基本は全員自分で運用や分析を行いたいプレイヤー気質が揃っています。運用特化のメンバーは顧客とのコミニケーションが苦手だが論理的思考があり運用がうまい人材が多いです。

 

今後営業に特化した人材を採用すれば新たな座組を考えなければ行けないですが、考えるのは常に顧客にとって最高のサービスが提供出来ているか。なのでしっかりと既存顧客に満足して頂ける体制を作っていきたいと思います。

 

 

3,「LP制作あるいはバナー制作無料」というキャッチコピーについて

 

こちらは魅力的な提案ではありますが、

 

①契約内容として広告を終了したら代理店にLPやバナーを返すパターン(ドメインももともと代理店側)が存在している

 

②契約期間に縛りを儲けられる可能性があり、運用のレベルが低いのに解約できない

 

というパターンがあります。

 

そもそもLPを作成するのは制作会社なら50~80万ほど発生し、フリーランスの方でも10万円はします。その工数費を無料で提供するということは、人件費や工数を削減しないとその企業は儲けが出ないと思うので優秀な人材が豊富な時間で運用するというのは厳しいと思います。

 

また、LPやバナーは成果に関わる非常に重要なものです。例えば10万円の商品を販売しているとして、無料で作成してもらったLPのコンバージョン率が0.5%なら200クリック集めて1件の売上ですが、すごく質の高いLPを作成してコンバージョン率が2%なら、50クリックで1件獲得し、200クリックなら4件購入されるので40万円の売上が見込めます。

 

このように初期費用を下げて質の低いLPで運用するのか、費用をかけても質の高いLPで運用するかでどちらが最終的な成果に結びつくのかきちんと考える必要はあると思います。

 

(無料LPは質が低い前提で話してましたが、質が高いLPを無料で作成するところがあれば申し訳ありません。)

 

 

4,「3年以上の運用者のみ在籍」というキャッチコピーについて

 

 

以前Facebookのマネージャーの方と話す機会がありましたがその方が、「正直キャリアが長い人よりも、素直で純粋な無知識無経験のほうが成長が早く活躍しやすい。重要なのは過去の歴史を知っていることではなく、媒体が出している推奨設計をきちんと理解して実践し続ける変化を理解してアウトプットできる能力が必要。変に成功体験がある人は口が達者で手を動かさなかったり主観で決めるので、全然成果が出ずに文句を言って止める人が多い。」とおっしゃっていました。

 

私も10年目ではありますが、常にGoogleやYahoo!、Facebook、Instagram、Twitterが出している情報やセミナーに参加して最新の情報を取り入れ過去の成功体験を捨てて、新たなことを常に実施しようとしています。

 

体感でいうと優秀な人材は1年で圧倒的な結果がでるし、頑張ってくれるのでWEB業界に関しては業界が長いからというアドバンテージはありません。寧ろマイナスに働くこともあるので、過去の実績よりもきちんと最新の情報をアップデートして実践しているかどうかを聞いてみましょう。

 

 

今回は以上です。

 

何が正しいのかは分かりませんが、平気でホームページやバナー広告で嘘や誇大表現を使う企業は沢山いて、大切なお金を無駄にしたり嫌な思いをするケースが沢山あるとクライアントから伺います。

 

弊社が何が出来るか分かりませんが、当たり前のことを当たり前にやる企業が増えて行かなければ代理店を信用できない人が増えていくのでこのようにブログで発信したり、仕事に対しては誠実にプロとして業務をするように心がけて行きます。

 

何かあればいつでもご相談ください!最後まで読んで頂きありがとうございました。

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この記事を書いた人
星野 荘

星野 荘

専門学校卒業後、ITインフラの企業に就職。その後サイバーエージェント系列の会社で3年半、インターネット広告代理店で8年ほど勤務。 WEBマーケティングはブラックボックス的なところがあるので、知識や経験が少ない方でも役に立つ情報を発信していきます。