リスティング広告代理店の乗り換えで失敗しないポイントを解説します

弊社のクライアントの90%以上はリスティング代理店の乗り換えなのですが、初めて乗り換えというよりも何度も乗り換えたことがあるクライアントが多いです。リスティング企業の乗り換えは非常にパワーがかかるので本来なら実施したくないのにも関わらず何故何度も繰り返してしまうのかについて、クライアントのヒアリング情報をまとめて、リスティング代理店として失敗しない方法をお伝え出来ればと思います。

ポイント1,リスティング代理店の選び方について

 

筆者は10年以上インターネット広告代理店で仕事をしていて様々なリスティング運用を行う代理店を見てきました。

 

リスティングは結局は10年前から「どこに依頼するよりも誰に依頼するかが大事」と言われていますが、それは今でも変わらないと感じています。

 

特に今はコロナ化において、リモートワークが発達し、社員としては副業しやすい状況になり、依頼する会社としてはリモート環境が発達し、直接会わなくてもWEBだけで商談が出来ることもあり、優秀な人材が独立しやすこともあり、本当にどの会社が良いか今までより難しい状況になっております。

 

そういう背景も考慮しながら、クライアントからよく聞く駄目だった代理店の特徴を弊社の考察も踏まえて選び方を記載します。

 

【よく聞く話その①】手数料が低すぎる企業は安かろう悪かろうが多い

 

リスティング代理店の業界平均は広告費の20%ですが、企業によってはそれ以下の企業があります。例えば10%等。

 

手数料が安くなるということは極端な話、他のリスティング企業よりも倍の顧客数を獲得しなければいけません。

 

そうすると一社あたりに掛ける時間が少なくなり、運用がまともに出来ていないケースが多くなります。

 

また、社員の立場からしてもそういう薄利多売の代理店は労働時間が長く、また時間を一社あたりに使用できない分、成果が上がりにくかったり、リソース的に連絡のスピードが遅れてクレームになりやすく、退職率が高く、優秀な人材が残りにくい側面もあります。

 

ある程度フォーマット化出来る業界であれば手数料を安くしても上手く回る方法はあるかもしれませんが、基本的には安かろう悪かろうが多いと思われます。

 

【よく聞く話その②】営業時に言っていた内容が契約後出来ていない

 

弊社のように営業と運用が基本的には同じ人間が実施するなど一気通貫の企業もあれば、分業されている企業も多く、分業されている場合は営業が運用のことを良くわからないまま、契約したいが為に有る事無い事いうケースが多いようです。

 

依頼する側もリスティングに詳しくない為、営業の言うことを鵜呑みにしてトラブルが発生するようです。

 

上記のようなことが起こらないために、必ず下記のことは事前に確認しておきましょう

 

・誰が運用するのか

 

・営業と運用が違う場合はどのような体制で実施するのか(体制図をもらうといいかもしれません。)

 

・ミスをしないためにどのようなチェック体制をとっているのか

 

・品質を担保する為にどのような管理を行っているのか

 

・配信までのスケジュール、準備する内容は

 

・配信後の改善方法とそのスケジュールは

 

・メールやチャットのレスは何営業日以内で返信してくれるか

 

・設定変更が発生した場合に何営業日で対応してくれるか

 

【よく聞く話その③】成果が出ない場合の改善案、提案が無い

 

リスティングは魔法のツールではありません。成果がでないのは広告の運用レベルが低い、サイトのデザインがダサい、サイトの表示速度が遅い、サービスが悪い、ユーザーがいない、競合が強い、時代にサービスが合っていない、値段が高いなど、様々な要因で成果が出ない可能性があります。

 

リスティングで出来ることは限界がありますが、成果が出なかった時にリスティングにおいても、リスティング以外においてもどのような施策を提案して実施できるかが代理店によってかなり違います。

 

NDAをリスティング企業とクライアントは結んでいるので細かい他社事例を話してくれることはないと思いますが、過去成果が出ない場合にどのような対策を実施したのかも聞いてみましょう。

 

ポイント2,自社にも原因があることをきちんと理解する

 

「全ての原因は自分にある」と考えることは非常に重要です。

 

代理店を変えれば成功する訳ではなく、必ず自社のサービス、商品、サイト、ツール、担当者にも問題があります。

 

リスティング代理店を乗り換えれば成果を上げることは出来るかもしれませんが、同時に何故成功しなかったのか自社でもきちんと言い訳せずに整理して、分析し、改善することを心がけましょう。

 

そのようにしてベースを強くしている企業はこのコロナ渦においても確実に成長されています。

 

ポイント3,引き継ぐ際に必要な情報は必ず手に入れよう

 

移行するにしても今までのリスティング配信によるデータは貴社の資産です。

 

可能な限り取りこぼさずに情報を取得して乗り換えに備えましょう。

 

順番としては

 

既存代理店から情報を取得する→乗り換え先のリスティング企業に共有する→取りこぼしが発生すれば既存代理店に追加で情報を頂く

 

という流れかなと思います。

 

悪質な企業以外は基本的にデータを共有して頂けますし、解約後も対応して頂けますが、基本的には切り替えのタイミングまでにデータの取得は終わらせましょう。

 

どのようなデータがあればいいかについて下記に詳細を記載します!

 

①各レポートを最低直近3ヶ月単位でもらう

 

運用期間によりますが、最適化されている前提で考えると直近3ヶ月のデータをもらえれば問題ないと思いますし、もし可能ならプラスで全期間のデータももらいましょう。

 

内容としては

 

・キャンペーンレポート

・広告グループレポート

・広告レポート

・キーワードレポート

・検索語句レポート

・表示オプションレポート(設定しているもの全て)

 

こちらは必須でもらうようにしましょう。

 

②カスタマイズされている設定情報を確認しよう

 

例えば、何時から何時は配信していない、スマートフォン(モバイル)は配信しないなど、制限や比率をカスタマイズで調整している場合があり、現状の設定を確認しましょう。

 

・年齢性別

・時間

・曜日

・地域

・デバイス

・除外プレースメント

・除外KW

・オーディエンスリスト

・入札戦略

・アトリビューションモデル

・GoogleAnalyticsとリンクしているかどうか

 

 

以上になります。

リスティングの推奨設計を理解していなければ本来なら制限をかけたり、比率を下げたりする必要が無いことに対しても何かしら調整されているがゆえの直近の成果に繋がっている可能性があるので、確認してみましょう。

 

③どのような運用を行っていたか

 

リスティングは前提としてデータの量と質を突き詰めていくことで成果が上がります。

 

最初は全く0のデータから始めるので成果としては基本的には実施期間が長ければ向上していきます。

 

その中で具体的にいつ、どのような設定を行ったのかを細かいところまでは必要ないですが、どのような方針で実施していたかを改めて簡易的でも共有頂ければ、何故今このような方針なのかが分かるので、確認して代理店に共有しましょう。

 

 

もし運悪く悪い代理店が運用していた場合は上記のような情報を伝えた場合に中々対応してくれなかったり、共有してくれないケースもあります。

 

契約上どのようになっているかで本当に共有出来ないかどうかは決まると思うのですが、成功の精度を上げるためにもかならず確認して対応していきましょう。

 

 

今回は以上となります。

 

何度もお伝えしますが乗り換えはクライアント側にとってもリスティング代理店側にとってもパワーがかかりますし、リスクも常に伴います。

 

出来れば何十年も付き合う中でリスティング以外の領域においても改善を進めていき、WEBマーケティングの土台を作り続けることが出来るパートナーシップが必要だと考えています。

 

会社の面接と似ているかもしれませんが、案外『この人(会社)と一緒に働きたいかどうか』という基準で選ぶのも良い方法かもしれません。

 

今回記載した内容をきちんと行いながらも、良い代理店が見つかるように動いていきましょう。

 

弊社、カッテージでもリスティングの乗り換えのクライアントは数多くいらっしゃいます。もし何かあればいつでもご相談下さい!

 

最後まで読んで下さり、ありがとうございました。

 

 

 

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この記事を書いた人
星野 荘

星野 荘

専門学校卒業後、ITインフラの企業に就職。その後サイバーエージェント系列の会社で3年半、インターネット広告代理店で8年ほど勤務。 WEBマーケティングはブラックボックス的なところがあるので、知識や経験が少ない方でも役に立つ情報を発信していきます。