Facebook広告でコンバージョン数を水増し?実数と管理画面上の数字が合わないときは要確認!

■そもそもコンバージョンとは?
まず、「コンバージョン」について解説をします。
コンバージョンとは簡単にいうとウェブサイト上でのゴール。お問合せや商品の購入など、「お客様にこうしてほしい」という行動がとられる場合のことをいいます。コンバージョンの種類は企業や商品、そのときどきの広告によっても異なります。商品購入以外にも、特定のページに到達することをゴールとしている場合もあります。
広告を運用する際には幾度となくこの「コンバージョン」という言葉が出てきます。広告運用担当者、あるいは広告代理店などとの会話の中で出てくる際には「この広告をきっかけに〇回お問合せ(商品購入、他)がありました」という意味合いで使われます。
多くの場合、このコンバージョンの数で、広告運用の費用対効果を測ります。広告費100万円をつかって、20件のコンバージョンが発生した場合、
100÷20= 5
となり、コンバージョン1件を獲得するために5万円かかった、ということです。商品の価格やLTVと照らし合わせて今後の運用について考えます。5万円は高すぎるから別のやり方を模索する場合もあれば、5万円で1件獲得できるなら安いと、さらに追加で出稿をする場合もあります。
いずれにしても、コンバージョン数が正確に測れることではじめて、現状の理解と今後の打ち手が決まります。
■Facebook広告の管理画面上で見るコンバージョン
さて、それくらい重要な指標である「コンバージョン」ですが、Facebook広告を運用していると、「あれ?本当にこんなにたくさんコンバージョンしてる?」と違和感を抱くことがあります。
Facebook広告の管理画面ではコンバージョンが20件発生しているはずなのに、ウェブサイトに導入しているGoogle Analyticsで見ると広告から直接コンバージョンしているものは1件しか獲得できない。そもそも、実際にお客様にヒアリングをしてみると、チラシやクーポンなど、Facebook広告以外のものを動機としてあげる人が多くどう考えても実数と合わない・・・
広告代理店や、運用担当者からしてみると、「これだけ広告の成果が出ています!」と言いたくなる数字ではある一方で、心の中にモヤモヤがたまっていきます。
実は、管理画面上で見るコンバージョン数と実数のズレには、Facebook広告のコンバージョンの数え方に原因があります。
「広告がきっかけて問合せがあった」と言われると、多くの人は
お客様が広告を見て、リンクをクリック
→商品ページを読み、問合せフォームへ
→必要事項を記入し送信
→コンバージョン!
という流れを想像すると思います。もちろんこれが理想的な形ですが、実はFacebook広告が計測しているコンバージョンはそれ以外にもあるのです。
(画像:Facebook for Business トップページスクリーンショット)
ビュースルーコンバージョンとクリックスルーコンバージョン
Facebook広告ではビュースルーコンバージョンとクリックスルーコンバージョンの二種類があります。
・ビュースルーコンバージョン…広告を見た人が、コンバージョンする。広告をクリックしたわけではない。
・クリックスルーコンバージョン…広告をクリックした人がコンバージョンする。
デフォルトでは、管理画面上で見る「結果」(=コンバージョン)の値にはこのビュースルーとクリックスルーの両方が含まれています。
広告を見ただけの人が数に含まれていることは、その広告の訴求力で商品購入を決めたわけではなく、全く別のルートから申し込みをした場合にも数に含まれてしまうというわけです。
特にターゲット設定をして配信をしている場合、同じ人に何度も自社の広告を見せていることがあります。Facebook広告の結果だけを見ると、コンバージョンのほとんどがFacebook経由では?と思ってしまうような値になることがありますが、ここは誤解をしている人が多いため注意が必要です。
実際に広告をクリックした人だけの値を表示する方法は、後ほど記載します。その前にコンバージョンとして測定される期間についても解説します。
コンバージョン計測期間
Facebookに限らず、ウェブ広告では広告をクリックしたその時にコンバージョンしなくても、後日改めてウェブサイトを訪れコンバージョンした場合にも「この広告を経由で結果に繋がった」として、管理画面上で集計されます。
(例)
3月24日:Facebook広告をクリック
3月30日:検索してウェブサイトを訪問し、コンバージョン
上記のような例の場合でも、Facebook広告の管理画面では「結果:1」として載るということです。しかし、GoogleAnalyticsで見るとコンバージョン時の流入元は「検索」になりますのでそれぞれ認識のズレが発生してしまいます。
さらに、Facebookにログインしている端末の場合、広告を見たのがスマートフォン、実際にコンバージョンしたのがパソコンなど、別端末であった場合にも同一人物と判別され、広告の寄与によるコンバージョンとみなされます。
Facebook広告の場合、コンバージョンの計測期間はデフォルトでクリック28日間、ビュー1日間です。
■期間や種類を絞ったコンバージョンの結果を知る
さて、ここまでの話で、「Facebook広告の結果の数が、自分の認識よりも幅広い解釈で集計されていた」という人も多いのではないでしょうか。筆者もこの落とし穴にはまったことのある一人です。
でも大丈夫です。これまでに集計されたコンバージョン含め、どのように集計をされたものなのかを確認することが可能です。
①Facebook広告の広告マネージャーを開き、【列】を選択→【カスタム】を選択
②右下にある【比較ウィンドウ】をクリックし、確認したい種類と期間を選択する
③集計結果を確認します。
※上記は、ビュースルー(広告を見ただけ)と、クリックスルー(広告をクリックした)の両方を28日間の範囲で出した値です。
■広告設定時に、デフォルトのアトリビューションを設定する
ここまでは、すでに集計済みの結果の内訳を確認する方法でした。デフォルトの設定を変更して、今後コンバージョンの測定をする際の条件を指定することも可能です。
広告セットの「アトリビューション」を変更することで、どのような条件でコンバージョンを計測するかを設定します。
①広告マネージャーにて、アトリビューションを設定したい広告セットの【編集】ボタンを押す
②ページ下部、「最適化と配信」の【その他オプション】をクリック
③「Attribution Setting」より設定したい条件を選択する。
なお、選択できる条件は
・広告のクリックから1日間
・広告のクリックから7日間
・広告のクリック、または表示から1日間
・広告のクリックから7日間または表示から1日間
です。
いかがでしたか?Facebook広告のコンバージョン数に違和感を抱いていた方はこれでスッキリしたのではないでしょうか?違和感の原因は水増しではなく、コンバージョンの定義の違いです。効果測定をする際には、どのような計測条件になっているのか改めて確認をしてみてくださいね。
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