リスティング広告のレポートの読み方が分からない!という方へ
広告代理店から出されるリスティング広告のレポートの意味が分からない
今、リスティング広告を出稿される企業はますます増えています。
そんな中、広告代理店に運用を任せていると、毎月レポートを出してくれるけれどその読み方、意味が分からないというご相談をいただくことがあります。数字がたくさん羅列されているけど、その結果が良いのか悪いのか、詳しい状況の説明がなされないことも少なくないようです。実際に、自分で広告の管理画面を覗いてみても、やっぱりよく分からない…。
そこで今回は、リスティング広告の一般的なレポートに記載されている内容とその意味、数字が大きければ良いのか/悪いのかについて解説します。
リスティング広告のレポートに使われている用語の意味
まず、リスティング広告をはじめとした、一般的なウェブ広告のレポートでよく使用される言葉とその意味をご説明します。(※レポートの形式は代理店によって様々ですので、すべてのレポートに記載されているわけではありません。)
インプレッション(IMP):広告が表示された回数(=表示回数)一人の人が同じ広告を2回見た場合、インプレッションは2となります。
クリック数:広告がクリックされて、実際に自社のウェブページまで訪問された回数。リスティング広告の場合には、この「クリック」の時点で広告費用がかかります。
クリック率:(CTR):広告が見られた回数のうち、実際にクリックまでされた割合。広告が100回表示されて、そのうち10回クリックされれば、クリック率は10÷100=0.1=10%となります。
クリック率が高いということは、表示された広告が興味をそそるものだったと判断することができます。
クリック単価(CPC):1回クリックされるごとにかかる金額です。レポートの時点ではその期間の平均値が表示されますが、実際に広告が表示されている際は、競合との兼ね合いや飛び先のページとの整合性など様々な要素で計算され、その都度クリック単価は変わります。
コスト:その期間を通してかかった費用の合計。
コンバージョン(CV)数:目標達成の数。コンバージョンとは、その広告が目指しているゴールのことです。何をゴールと設定するかは広告主によって様々で、商品の購入であることもあれば、お問合せ、メールマガジンへの登録であることもあります。
コンバージョン(CV)率:広告をクリックされた回数のうち、実際に目標としている行動をとられた回数です。コンバージョン率が高いということは、表示された広告およびその飛び先のランディングページで商品/サービスの魅力が伝わりやすかったと判断することができます。
獲得単価(CPA):コンバージョンを1件獲得するためにかかった費用です。
(例題)
インプレッション:10,000
クリック数:500
コンバージョン数:5
コスト:8,000円
というデータがあった場合、
クリック率=500÷10,000=5%
クリック単価=8,000÷500=16円
コンバージョン率=5÷500=1%
CPA=8,000÷5=1,600円
となります。
そのリスティング広告の結果は、良いの!?悪いの!?
そして気になるのが、この結果が良いのか悪いのかです。
実はこれだけを見ても、良い/悪いを判断することはできません。
広告を効果的に配信するためには、できるだけ少ない金額で、できるだけ多くの人に商品を買ってもらう(興味を持ってもらう)ことが必要です。
ですので、できるだけ
・クリック単価を下げて
・コンバージョン数を増やす
ことを目指します。
このときに、事前に必ずゴールから逆算をすることが重要です。
100人集客をしたい、と考える場合。
コンバージョン率が5%と仮定すると、クリック数は2,000必要。
クリック率が10%だと仮定すると、インプレッションは20,000必要。
その上で、お客様のLTV(=Life Time Value = 生涯顧客価値)が5万円だから、一人当たりの獲得に1万円までかける、と考える場合。
100人×1万円=予算 100万円。
さらに、上記の仮説に当てはめて、
クリック単価=1,000,000÷2,000=500円
という目安の数字を出すことができます。
こうした仮説をたてた上で、実際のレポートの数字と比較をすることで、結果として予測よりも良い状態なのか、反対に改善が必要なのかを知ることができます。
そうした事前のすり合わせがない状態で、とりあえず広告を配信して、数字がたくさん書かれたレポート用紙だけを受け取ったところで、何を改善すべきなのかということも分からなくなってしまいます。リスティング広告をはじめとしたウェブ広告を出稿する際には、まず「一人当たりの顧客獲得単価はいくらまでならOKなのか」「合計のコンバージョンは何件が目標なのか」という数値をしっかりと代理店とすり合わせをすることを強くおススメいたします。